「朝と夜で、なんとなくスキンケアを変えているけれど、それって本当に意味があるのかな?」
「お風呂上がりは、数秒以内に保湿しないとダメって本当?」
毎日のスキンケアで、そんな疑問を感じたことはありませんか?
前回の記事では、肌の細胞にも約24時間周期のリズムに関わる仕組みがあることを紹介しました。
今回はその続編として、肌のリズムとバリア機能の関係を紐解きながら、朝と夜のスキンケアを考えていきます。
朝は保湿と紫外線対策、夜はやさしい洗浄と保湿。この基本のケアにも、それぞれ大切な理由があります。
肌の仕組みを知ることで、いつものお手入れを、もっと自分の肌に合ったものにしていきましょう🌱
1.肌は一日中、同じ状態で働いているわけではない
まずは、前回のポイントを少しだけ振り返ってみましょう。
私たちの肌は、24時間ずっと同じ状態で働いているわけではありません。皮膚の細胞にある時計遺伝子などが関わり、肌のさまざまな働きには時間帯による変化が見られます。
そのひとつが、肌のバリア機能に関係する変化です。
💡 知っておきたい「TEWL」とは?
肌のバリア機能を評価する指標のひとつに、経表皮水分蒸散量(TEWL)があります。これは、皮膚の表面から水分がどのくらい蒸散するかを示すものです。
角層には、肌内部の水分が過剰に失われるのを防ぎ、外部からの刺激を受けにくくする働きがあります。この働きが十分でないと、水分が失われやすくなったり、刺激を受けやすくなったりすることがあります。
TEWLは、こうした皮膚のバリア機能を調べる際に用いられる指標です。
(※ただし、TEWLは肌の水分量そのものを示す数値ではありません。皮膚の水分蒸散と、角層に含まれる水分量は別の指標です。)
🕒 肌の働きにも、時間による変化がある
皮膚の生理指標には時間帯による変動が認められ、皮膚の透過性は朝よりも夕方から夜に高くなる傾向が報告されています。
このような研究から、肌の働きは一日中まったく同じではないことがわかります。
ただし、肌の働きにはそれぞれ異なるリズムがあるため、「朝は完全に防御モード、夜は完全に修復モード」と単純に分けられるわけではありません。
大切なのは、肌にも時間による変化があると知り、そのうえで毎日のケアを考えること。
それでは、朝と夜、それぞれのケアを見ていきましょう。
2.朝のケア|日中の乾燥や紫外線から肌を守る
朝のスキンケアで大切なのは、肌を清潔に整え、うるおいを保ち、日中の刺激から守ることです。
☀️ 朝の基本ケア
- ① やさしい洗顔 寝ている間に分泌された皮脂や汗などを落とし、肌を清潔に整えます。 皮脂の量や乾燥の程度によっては、洗顔料の使用感や洗い方を調整することも大切です。洗いすぎや強い摩擦は避けましょう。
- ② 保湿 化粧水や乳液、クリームなどを使い、角層のうるおいを保ちます。 保湿は、肌の乾燥を防ぎ、バリア機能を支えるための基本的なケアです。肌質や季節、その日の肌状態に合わせてアイテムを選びましょう。
- ③ 紫外線対策 紫外線は、日焼けだけでなく、シミや光老化などにも関係します。 日焼け止めを使い、必要に応じて帽子や日傘なども活用しましょう。季節や天候だけで判断せず、日中の紫外線対策を習慣にすることが大切です。
🌿 ちょこっと知識|ビタミンCなどの抗酸化ケア
紫外線などの影響によって、肌には酸化ストレスが生じます。ビタミンCなどの抗酸化成分は、こうした酸化ストレスへの対策という観点からも研究されており、スキンケアに取り入れることも選択肢のひとつです。
ただし、ビタミンCが肌時計の仕組みによって、朝に特別適しているとまではいえません。また、ビタミンCを使っていても、日焼け止めによる紫外線対策は欠かせません。
抗酸化成分を取り入れることと、紫外線そのものを防ぐことは別の対策です。日焼け止めを省かず、必要に応じて塗り直しや帽子・日傘なども活用しましょう。
(※ビタミンCの働きや化粧品の選び方、使い方については、別の記事で詳しく紹介していきますね🍋)
3.夜のケア|汚れを落とし、保湿でバリア機能を支える
夜は、日中に付着した汚れやメイクを落とし、肌の状態に合わせてうるおいを補う時間です。
肌の透過性には時間帯による変化が報告されていますが、夜だからといって、特定の美容成分の効果が必ず高まるわけではありません。まずは基本のケアを丁寧に行い、肌を健やかに保つことを意識しましょう。
🌙 夜の基本ケア
- ① クレンジング・洗顔 メイクや日中に付着した汚れなどを、肌に合った方法で落とします。 汚れを落とそうと強くこすったり、必要以上に洗ったりすると、肌に負担がかかることがあります。肌をこすらず、やさしく洗いましょう。
- ② 肌の状態に合わせた保湿 洗顔後は、肌の乾燥具合に合わせて保湿します。 季節や肌質によって必要な保湿の程度は変わります。乾燥しやすいときはクリームなどを取り入れるなど、その日の肌に合ったケアを選びましょう。
⚠️ 美容成分は、たくさん使うほど効果的?
美容液やクリームには、さまざまな美容成分が配合されています。肌悩みに合わせて成分を取り入れることは、スキンケアの楽しみのひとつですよね。
でも、刺激のある成分をいくつも重ねたり、使用頻度を増やしすぎたりすれば、その分だけ効果が高まるわけではありません。成分の種類や濃度、製品の組み合わせ、使う頻度によっては、肌への負担が大きくなり、赤みやヒリつき、乾燥などにつながることがあります。
特に肌が敏感になっているときは、あれこれ追加するよりも、刺激になりそうなアイテムを見直し、優しい洗浄と保湿を中心としたシンプルなケアに整えることが大切です。新しいアイテムを取り入れるときは、一度にたくさん増やさず、肌の様子を確認しながら使いましょう。
肌時計を知ったからといって、夜に特別なケアを増やす必要はありません。 肌のリズムを理解しながら、自分の肌に必要なケアを選ぶこと。それが、毎日のスキンケアを考えるうえでの大切なポイントです。
4.お風呂上がりの保湿は、秒単位で焦らなくて大丈夫!
「お風呂から上がったら、3秒以内に化粧水を塗らないと乾燥する!」
そんな噂を聞いて、毎晩あせってお手入れしていませんか?
入浴後は角層の水分量が一時的に増えますが、その後は時間の経過とともに水分量が低下していくことがあります。そのため、お風呂上がりの保湿は、肌のうるおいを保つために大切な習慣です。
💡 保湿のタイミング、どれくらい焦るべき?
実際に、入浴後の保湿タイミングを比較した研究では、入浴直後と90分後に保湿剤を塗った場合で、角層の水分量に明確な差が認められなかったという報告があります。
この結果からも、「数秒以内に塗らなければどんどん乾燥してしまう!」というわけではないことがわかります。
お風呂から上がったら、まずは身体を拭いてひと息ついてOK!
大切なのは、秒単位のタイムリミットに焦ることではなく、「肌が乾燥しすぎる前に(←これは大切!)、自分のペースで保湿する習慣をつけること」です🌸
(※入浴後につっぱり感やカサつきが出やすい方は、身体を拭いたら早めに保湿することを意識してみてくださいね。)
5.まとめ|肌のリズムを知ると、ケアの理由が見えてくる
今回は、肌時計の視点から、朝と夜のスキンケアについて考えてみました。
🌿 今日のポイント
- 朝のケア:保湿と紫外線対策でバリア!日中の乾燥や紫外線から肌を守りましょう。
- 夜のケア:やさしい洗浄と保湿。汚れを落とし、肌の状態に合わせてバリア機能を支えましょう。
- 美容成分:重ねるほど良いわけではありません。肌の状態を見ながら、必要なアイテムを選びましょう。
- お風呂上がり:秒単位で焦らなくて大丈夫。乾燥する前に保湿する習慣をつけましょう。
美容情報があふれる今、流行の成分や新しいケア方法が気になることもありますよね。そんなときこそ、肌の仕組みを知ることが、自分に合ったケアを選ぶための軸になります。
肌時計は、何時に何を塗ればよいかを決めるためだけのものではありません。肌にも時間による変化があると知ることで、いつものケアを見直し、自分の肌の状態に目を向けるきっかけになります。
今夜は、メイクや汚れをやさしく落としたら、肌の乾燥具合に合わせて保湿を。
肌のリズムを知ることをきっかけに、いつものスキンケアを少し見直してみませんか?🌿



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